ボクはスリッパを好まない。
靴下さえ履きたくない。
家のなかでの話だが。
第一、ボクの家は7人家族と大勢なのだが皆、屋外の仕事ばかりであり家のなかのことにまで手をまわしていられないのだ。
兼業農家だから余計に家のなかは汚くもなるのだがそれを掃除する人手がないというのは困ったものである。
皆、貧しい暮らしを良くするために働いていることに変わりはない。
まあ、端から見れば滑稽な話だ。
自己実現できるはずの幸福を逃しているのだから。
一日仕事に休みを取って、みんなで家を掃除すればどんなに幸福を感じられることか。
まるで故事に引用されそうな話である。
それでも確かに当人らは苦しいのだ。
なんのために働いているのかがわからず苦しいのだ。
こんな哀れな例は国中にあるだろう。

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